Billy Mahonie - 『What Becomes Before』(2001)
1. Fishing With A Man For A Shark2. Nacho Steals From Work
3. Dusseldorf
4. Hey Mr. Jukes
5. Keeper's Drive
6. Simple Solutions Seldom Are
7. False Calm
8. Lothe
9. The Day Without End
10. I, Heston
11. Paysted Way
12. A Warning To The Curious
13. Terylene
14. Bres Lore
Released October 1, 2001 - Southern Records (London, UK)
英ロンドンのポストハードコア/ポストロック/インストゥルメンタルロックバンド・Billy Mahonieの2ndフルアルバム。2001年リリース、Therapy?やBig Blackを擁したSouthern Recordsから。また、このバンドは過去に『Are Matthew, Mark, Luke And John』のTHE JESUS YEARSと共同でスプリットをリリースしている。
サウンド及び楽曲にはアメリカ的な乾いたインディーロック,パンクロックとDischord的なハードコアパンクに加えサーフロックのエッセンスが混在しており、とりわけ特徴的なのは楽曲全体を通して展開が"劇的ではないが目まぐるしく変わり続ける"ことで、メインリフ以外のフレーズやビート等を8小節〜16節以上は決して繰り返さないことが徹底されている。
また、 ポストハードコア/エモやポストロックの系譜のバンドにおいて、とりわけアルペジオ等に顕著である複雑だが曖昧なアンビバレントを両立する特徴的な音感の音階、及びフレーズはこのバンドでは用いられておらず、しかし同じく情緒揺さぶるブルースともやはり異なる独特の情感がBilly Mahonieにはある。
デジタル・ポストプロダクションでロックミュージックの可能性を押し広げその果てを目指したシカゴ音響派、エモーショナルの表現を現在もなお更新し続けるマイクキンセラ及びそのファミリー、音楽に纏わりつく他の凡ゆる全てと決別したDischord Records。あくまでハードコアパンクを下地にそのいずれとも異なるイギリスのポスト・ロックのスタイルがここに強固に示されている。
なお現在も活動中のバンドで、特にライブ活動は精力的に行われている。
(最後に余談を簡潔に記すが、2005年リリースのシングル集『Found』はインストのPolvoのような作品なのでこれも聴くと良い)